９／２（日）　AM８時〜

真っ当な食事を摂るため、何としても開店したばかりの観光協会内物販に突入したいところ。
しかし如何せんずぶ濡れでは心苦しい。

豪雨によって殉職したTシャツからタンクトップに着替え、真新しい上着で僅かながらのブラッシュアップを図る。
素知らぬ顔でスマートに入店、と言いたいところだが、残念ながら前日からの観光協会ロングステイのせいで面は割れているだろう。
せめて濡れたままのショートパンツに気付かれないよう、ザックジャパンが世界に誇るアジリティーというやつを存分に発揮し、ささっとカップラーメンと天然酵母パンを購入する。
いや、金銭との交換に成功、か。
備え付けの電気ポットで湯を入れ、外のアスファルトの縁石に腰を降ろし３分を待った。



実に高校以来かもしれない。
学び舎の近所のセブンでカップラに湯を注ぎ、地べたで取り留めもない会話を展開。
なんとも懐かしい。

別のシーンもあった。
OKA氏実家にて136のプラ片を朝までジャラジャラと混ぜ合いつつ、取り留めもない会話を展開。
腹が減ったら湯を沸かしカップラに注ぐ。
ズルズル、ジャラジャラ。

あの頃の我々に、こんな悲しい未来を想像出来ただろうか。
いや、想像しておいて欲しかった、逆に。

ただそれでも変わらない。
友情というものは国士無双の輝きを放つ。
あの時の私の自摸（ツモ）の様に。



脱線病が著しい。
まだ前記事から１０分ぶんしか進展していない。
時の許すまま、心の許すままにあの時間を思い返したいのだ。




カップラとパン、そしてOKA氏が買った冷え冷えの黒ラベルを頂く。
最悪の晩と集中豪雨に耐え抜いた我々にとって、最良の朝となった。

この良き１日をどう過ごしてやろうか。
観光スポットなどない。
繁華街など存在しないと言っていい。
海水浴は恐いのでもういい。



そうだ。
タクシーのおっちゃんが教えてくれた「きんぷくかん」へ行こう。
新島の勤労福祉会館で、通称でなく、正式名称が「きんぷくかん」なのだ。
そこはまさに現世の桃源郷、シャングリラ、ということらしいが、事の真相はいかに。

街なかを少し入った所にそれはあった。
コンクリート構造に大きな連続窓の外観。
こんな近代的（っぽい）建造物があったとは。
桃源郷。
まさにその風格、存在感。

だが、観光協会で聞いたきんぷくかんの会館時間９時半を過ぎているにも関わらず、一向に開く気配がない。
人気すら感じない程だ。

強い日差しを避け、駐車場一角の日陰でしばし待つことに。

開かない。
決して開かない。

いや、開けてやろう。
苦境を乗り切り逞しくなったこの手で。

ドアに近づく。

「保健所」

目が眩んだ。
太陽のせいではない。
「保健所」とは一体なんだ。
我々も検疫を受けるべきなのかもしれない。
目がおかしい。



なんなんだ、このちょっとしたハプニングは。
些細だ。
今更些細すぎる。



そして再び跨がった。
例の車輪搭載式の鉄クズに。
ヤツは近いはずだ。

保健所という関所を超えたほんのすぐ先にあった。
「きんぷくかん」と深く刻まれた石碑看板。
その脇で神々しいまでに美しく揺らぐカラオケののぼり。
カラオケって(笑)
確かに勤労を癒す館には違い無さそうだ。

受付を済ませ、晴れて入館。
クーラーの効いた館内には、カラオケを始め、マンガ、卓球、子供のプレイルーム、そしてなんとボーリング（２レーン）まである。
凄い、凄いぞ、きんぷくかん。
税金もここまで無駄に使えば有用と成り得るのだ。

館内は地元のキッズ２人、漫画を読むおじさん１人、昨日の中華屋「桃華」にもいた若奥様達とその幼児。
若奥様達が我々の面を覚えていたとしたら恥ずかしい。
桃華にしてもきんぷくかんにしても、観光客の来るような所ではないからだ。
あいつら何者、感たっぷりの視線は辛い。

とまあ、そんなことを一々気にする程、今の我々はヤワじゃない。

ノートパソコンをレンタルし、インターネットに接続。
当然ヒカリではないので回線は非常遅いが、そこまでは言うまい。

「新島　グルメ」で検索。

はい、ヒット無し。
有益な内容は全くと言っていい程ヒットしない。
まあ想像はしていたが。

とはいえ、久々の文明の与えてくれる安心感は絶大なものがある。
孤島にいることをすっかり忘れさせてくれ、心底有意義な時を過ごさせてもらった。

その恩返しにと、誰ぞのヤフーログイン状態のオフを始め、フェイスブックなどのID履歴を削除してやった。
どんだけセキュリティー感緩いんだ、この島は。



気がつくと正午が近づいていた。
昼飯としよう。

至福の時を過ごした桃源郷を後にし、メインストリートへ向かう。
昨夜貸し切りだった焼き肉屋へ入る。
あの不当な貸し切りが嘘の様に閑散としていたが、過ぎた事に文句は言わん。
流通ルートが全くもって不明な焼き肉には一切目もくれず、世界標準（グローバルスタンダード）と思われる餃子とチャーハンを注文。
やはりこのコンビは日本中どこで食べても最高だ。
染み渡る。


ごちそうさま。
さて、午後はアレしましょ。
この旅のメインバウト。
やるしかない。
もうエサには逃げない・・・。





うーん！
惜しい！
今日はここまで！
じらすねー。じらすねー。
まあ、どうせこんなアホ録を本気で読んでる人いないでしょ！？
いたら感謝。涙。
ありがとうございます！
では次回こそ！
アレです！

お疲れしたー。





「きんぷくかん」内。
カラオケはいいけど、ボーリングはしとけば良かったな。
なんて今更。